○三笠市食のまちづくり基本条例
三笠市条例第19号
三笠市は、明治の原野に鍬を入れ、切り株を起こし、田畑を拓き、時にはヒグマやオオカミに怯え、疫病や怪我などに苦しみながら野菜づくりを進めたたくさんの農民の血と汗と努力によって、多くの道民の健康と体力づくりに寄与し、北海道の食及び周辺地域の農業に大きな影響を与えてきた歴史を誇るとともに、平成24年度に開校した北海道三笠高等学校は、社会で活躍できる幅広い視野を持った食のプロフェッショナルを育成するなど、「食」のちからにあふれたまちです。
こうした三笠市の特性や地域資源を生かして、子どもから大人まで市民一人ひとりの健全で豊かな食生活の向上と「食」を通じた地域の活性化を目指し、市、市民、教育関係者等、事業者及び関係団体が共通した認識のもとで主体的に参画し、協働して食のまちづくりに取り組むため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、三笠市未来づくり基本条例(平成21年条例第1号)第4条第1項に掲げる基本理念に基づき、食のまちづくりに関する基本理念及び役割等を定め、これを総合的かつ計画的に推進することにより、市、市民、教育関係者等、事業者及び関係団体が食の活用による地域の活性化に主体的に参画し、又は協働して取り組み、本市の特性や地域資源を生かした魅力ある食のまちづくりを推進することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で規定する主な用語の意味は、次のとおりとする。
項目 | 内容 |
(1) 食 | 食材又は食材若しくは食品の生産、製造、加工、流通、販売、調理等を通して食事に至るまでの全てのことをいう。 |
(2) 食のまちづくり | 食を守り、育み、または活かすまちづくりをいう。 |
(3) 地産地消 | 地域で生産、製造若しくは加工された食材又は食品を地域で消費することをいう。 |
(4) 食育 | 市民一人ひとりが、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や医食同源などの食に関する様々な知識と食を選択する判断力を正しく身に付けるための学習等の取組みをいう。 |
(5) 市民 | 市内に住所を有する者及びその組織する団体をいう。 |
(6) 教育関係者等 | 教育並びに保育、介護その他の社会福祉、医療及び保健(以下「教育等」という。)に関する職務に従事する者並びに教育等に関する関係機関及び関係団体をいう。 |
(7) 事業者 | 次に掲げる者をいう。 ア 農林漁業者等 農林漁業者及び農林漁業に関する団体 イ 食品関連事業者等 食品の製造、加工、流通、販売又は食事の提供を行う事業者及びその組織する団体 |
(8) 関係団体 | 商工会、農業団体及び観光協会その他食のまちづくりを効果的かつ効率的に推進する上で必要と認められる団体をいう。 |
(基本理念)
第3条 食のまちづくりは、次の各号に掲げる基本理念に基づいて推進するものとする。
(1) 食のまちづくりは、食が生命を養い、健康を保つために欠くことのできないものであることを認識して、食育を通じた市民の健全で豊かな食生活環境の充実及び発展に努めるものとする。
(2) 食のまちづくりは、北海道三笠高等学校の生徒やその卒業生をはじめ、誰もが食に関する知識又は技術若しくは技能を学べる環境の充実及び発展に努めるものとする。
(3) 食のまちづくりは、食を多様に活用することにより本市の産業全体が発展し、市内経済の持続的な振興が図られる環境の充実及び発展に努めるものとする。
(4) 食のまちづくりは、我が国の食料自給率の向上を目指すとともに、本市の旬の食材を食する地産地消の促進及び食の安全性の確保を図り、食を育む環境の充実及び発展に努めるものとする。
(5) 食のまちづくりは、食が観光における基本的なサービスの一つであり、来訪者に本市の特性を感じさせる重要な要素であることを認識して、食と連携した観光の充実及び発展に努めるものとする。
(6) 食のまちづくりは、食が日常生活に深く関わるものであることを認識して、市、市民、教育関係者等、事業者及び関係団体が主体的に参画し、互いに理解し合い協働して推進するよう努めるものとする。
(7) 食のまちづくりは、本市の肥沃な大地によって育まれた食味の高い食材を活用するとともに、北海道各地の滋味豊かな食材を積極的に取り入れ、北海道全体の食との連携にも努めるものとする。
(市の役割)
第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、食のまちづくりに関する総合的な施策を策定し、市民、教育関係者等、事業者及び関係団体(以下「市民等」という。)との連携を図りながら、これを計画的に実施するものとする。
2 市は、食のまちづくりに関する施策の普及啓発を行い、市民等の意識の高揚を図るとともに、食のまちづくりへの参画を奨励するものとする。
3 市は、食のまちづくりを推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(市民の役割)
第5条 市民は、基本理念を理解し、家庭、学校、職場その他の市民生活において食のまちづくりに取り組むとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(教育関係者等の役割)
第6条 教育関係者等は、基本理念を理解し、その職域において食のまちづくりに取り組むとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第7条 事業者は、基本理念を理解し、その事業活動において食のまちづくりに取り組むとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、食の安全及び安心に配慮し、市内及び道産食材の活用や地産地消の推進に努めるものとする。
(関係団体の役割)
第8条 関係団体は、基本理念を理解し、その団体活動において食のまちづくりに取り組むとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(施策の大綱)
第9条 食のまちづくりを推進するための施策の大綱は、次のとおりとする。
(1) 食育を通じた健全で豊かな食生活の推進に必要な施策
(2) 食に関する教育の推進に必要な施策
(3) 食を活用した産業及び経済の推進に必要な施策
(4) 食を育む環境の推進に必要な施策
(5) 食と連携した観光の推進に必要な施策
(6) その他食のまちづくりを推進するうえで必要となる施策
(基本計画の策定)
第10条 市は、食のまちづくりに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、前条に定める大綱に基づき、食のまちづくりに関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。
2 基本計画は、次の各号に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 食のまちづくりを推進するための基本的施策
(2) 前号に定めるもののほか、食のまちづくりを総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市は、基本計画を定めたときは、これを公表するものとする。
(条例の位置付け)
第11条 他の条例、規則その他の規定により食のまちづくりの制度を設け、または実施しようとする場合においては、この条例に定める事項を尊重しなければならない。
(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
この条例は、令和4年4月1日から施行する。