三笠ジオパーク

6.燃える石「石炭」の発見

明治元(1868)年、三笠にとって大きな出来事が起こります。石炭が発見されたのです。

石狩に住む木村吉太郎は、現在の幌内地区で偶然石炭の塊を発見しました。木村はそれを珍しく思い、石を持ち帰りましたが、最初はこれが石炭であるとはわからなかったそうです。

しかし、それが石炭だと知っていた者(紺野松五郎)もいて、明治4(1871)年に開拓使(北方開拓のために置かれた官庁)に知らせましたが、忙しいという理由で話を聞いてもらえなかったといわれています。


榎本武揚(北海道大学附属図書館蔵)
旧幕臣で、戊辰戦争後に投獄された武士。後に、非凡な才能を見出され新政府で働いた


明治5(1872)になって、札幌に住む早川長十郎がこの話を聞いて、石炭の塊数個を掘り出し、開拓使に届け出ました。当時、開拓使にいた榎本武揚がその石炭を調べたところ、とても良い品質のものであることがわかり、その結果、明治12(1879)年に幌内地区の石炭を掘り出すため、北海道初の近代炭鉱となる幌内炭鉱が開鉱しました。 



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