三笠ジオパーク

ジオツアー「北海道産業はじまり物語」を開催しました!

 10月1日(土)、ジオツアー「北海道産業はじまり物語」を開催し、市内外から約15名の方が参加しました。
 今回のツアーは、三笠で初めて石炭が発見された地である幌内地区を中心に、北海道の近代炭鉱発祥の地でもある「幌内炭鉱」の施設跡や、石炭の運搬のために三笠の幌内と小樽の手宮を結んだ道内初の鉄道「幌内鉄道」の跡を利用したトロッコの乗車体験などを行い、北海道の産業の始まりについて知っていただきました。
 また、鉄道記念館では館内の見学に加え、実際に燃えている石炭の観察を行いました。
 

 ツアーの始まりはクロフォード公園から。 
 明治15年から設置されていた幌内太駅(昭和19年に三笠駅に改名)という名前の駅があった場所で、昭和30年代には列車に乗り降りする多くの人々で賑わいました。
 ちなみにクロフォード公園という名前は、幌内鉄道敷設の際、工事の指揮をとったアメリカ人鉄道技師ジョセフ・ユーリー・クロフォードさんの名前にちなんで名づけられました。
 現在は、当時の駅舎を再現した建物や、鉄道の車両が展示されています。

 
 

 クロフォード公園付近の乗り場から鉄道記念館前まで約2.5kmを、当時の廃線跡を利用したトロッコ鉄道が運行しています。
 参加者の皆さんには、鉄道が石炭を運んでいた当時を想像してもらいながら、約20分間のトロッコ乗車体験を楽しんでいただきました。

 

    乗車体験だけでなく、自分でトロッコを運転する運転体験も可能です。

 

 トロッコから下車した後は、幌内炭鉱施設跡の見学に向かいました。
 明治元年に石炭が発見されてから、榎本武揚など明治の名だたる要人たちが視察に訪れた、北海道の近代炭鉱発祥の地です。
 ここでは、炭鉱夫さんたちが実際に使用した道具に触ってもらいながら、当時の炭鉱の様子について解説を行いました。

 
男の子がつけているのは、真っ暗な坑内で手元を照らすために使用されていた
安全灯(キャップランプ)です。
火を使用するカンテラからバッテリー式のランプに変わったことで、
坑内火災などの不幸な事故がずいぶん減りました。
 

 

幌内炭鉱最初の坑口「音羽坑坑口」
ここでは開坑当初、ある動物が活躍しており、一説では亡くなったその動物のホルモン(腸)を
食べる文化が、炭鉱まちの名物料理の由来になったとも言われています。
なんの動物か気になる方は、こちらのページへどうぞ!
 

  

坑内で比較的柔らかい部分を掘るのに使用する「オーガドリル」
お父さんに支えてもらってやっと持てるぐらいの重さです。

 
 幌内炭鉱跡の見学終了後は鉄道記念館へ。
 幌内鉄道の館内には当時の幌内鉄道に関する貴重な資料の展示に加え、大きなプラレールや、シアタールームなども設置されています。
 館内の見学の前に、石炭が燃えている様子を見ながら、身の回りで活躍する石炭について解説し、石炭は実はまだまだ現役のエネルギー資源として活躍しているということを紹介させていただきました。
 

 


燃やすと独特のにおいがする石炭。
懐かしい匂いだという参加者の方も多くいらっしゃいました。
石炭を見たことが無い年齢の参加者は、実際に石が燃えるのを、興味深そうに観察していました。


 早くも10月に入り、今年も協議会で主催するジオツアーはあと1回となりました。
 16日(日)に開催する「ミニ」ジオツアーは予約不要でどなたでも参加できます。
 当日は紅葉まつりも開催していますので、興味のある方はぜひお越しください。