令和5年3月14日、三笠市未利用エネルギー活用フォーラム(第13回三笠市石炭資源活用研究会)を三笠市民会館およびオンラインで開催しました。
【満席となった会場の様子】
当日は、三笠市の担当職員から、石炭地下ガス化などのエネルギー事業の概要や寄附(企業版ふるさと納税)に関する報告を行った後、NPO法人地下資源イノベーションネットワークの出口剛太理事長、室蘭工業大学大学院工学研究科の板倉賢一特任教授に順に登壇いただきました。
出口理事長からは、昨年の夏に市内で実施したCO2地下固定化実験の成果を中心にご報告いただきました。
特に、三笠市内での陸域CCS/CCUSについて「石炭採掘跡がCO2貯留場所として期待できる」旨が報告され、今後のCO2排出量実質ゼロとなる水素製造の実現に向けて、大きな成果を得られたことが示されました。
【CO2地下固定化実験の成果を報告する出口剛太理事長】
続いて、板倉教授からは、これまでのH-UCGの研究成果を振り返りながら、UCGの課題やその解決方法、海外で展開されている技術などをご報告いただきました。
また、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に事業採択されたことで実施した調査業務についても触れながら「効率的かつ安定的に水素を製造し供給するためには、石炭地下ガス化(UCG)、地表での石炭ガス化、木質バイオマスガス化のハイブリッド操業が有効」である旨の報告がありました。
【H-UCGの研究成果を解説する板倉賢一特任教授】
三笠市で目指す新たな水素社会の姿「三笠モデル」の実現に向けた方向性が示されたところで、フォーラムは幕を下ろしました。
本事業は取り組みを開始してから十数年が経過し、この間、社会情勢の変化に適応するように形を変えながら歩みを進めて参りました。
市内のみならず道外の方々にまで関心を寄せていただき、現地・オンライン合わせて220人もの参加があり、地域資源を活用した水素製造による新たなまちづくりの可能性に期待が高まるフォーラムとなりました。
※ 報告内容の詳細については、下記の資料をご参照ください(PDFが開きます)。
【内容】
報告「未利用エネルギーの活用に向けた取組状況について」
発表者 三笠市 産業政策推進部 産業開発課 産業振興係
講演1「弥生双葉町におけるCO2地下固定実験の成果」
講演者 NPO法人地下資源イノベーションネットワーク 理事長 出口 剛太
講演2「水素社会の実現に向けたハイブリッド石炭地下ガス化の役割」【資料1】【資料2】
講演者 室蘭工業大学大学院工学研究科 特任教授 板倉 賢一