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展示室3【石炭産業の始まり】

三笠の近代史は、明治時代に市内で石炭が発見されたことに始まります。この展示コーナーでは、そもそも石炭とはいったい何か、どのようにしてできたのか、どのように利用されているのか、といった、石炭の基礎知識について紹介しています。
石炭は、太古の植物が、地中で長い年月にわたって、高い温度・圧力を受けて変質したものです。北海道には、空知地域の広範囲に「空知炭田」が分布し、その中に位置する夕張市や歌志内市、そして三笠市は、石炭の町として栄えました。それ以外にも、北海道には釧路炭田など、石炭資源が豊富に埋蔵しています。これらの石炭に関するデータを、グラフィカルにまとめて展示してあります。
またこの展示室には、幌内炭鉱から掘り出された、石炭のかたまり「大塊炭」や、幌内炭鉱の坑道内で実際に石炭の輸送に用いられた蓄電池機関車(バッテリーとモーターを搭載して自走する機関車)を展示してあります。とくに電気機関車の周囲は、坑道を支える坑木を組んでいて、石炭の採掘風景を想像することができるデザインになっています。
 

大塊炭

1979(昭和54)年に、幌内炭鉱の地下830mから掘り出された、重量約1.5tの石炭のかたまりです。この石炭の品質は、「亜瀝青炭」に分類され、1kgあたり約8000kcal(約33000ジュール)の熱量を有します。したがって、仮にこの大塊炭を完全に燃やして、そのエネルギーをすべて利用できるとすれば、0℃の水約120tを沸騰させることができます。


軌間508mm6t蓄電池機関車

ニチユ(日本輸送機)製の、防爆型蓄電池機関車(BL)です。北海道炭鉱汽船株式会社の、幌内炭鉱の坑道内で用いられていました。炭坑内では、火災の危険があるため、電線を引いてその電線から電力を供給する電車を走らせることはできません。そのため、バッテリー(蓄電池)を内蔵した蓄電池機関車を用いて、坑道内の石炭輸送を行っていました。製造時は軌間(レールの幅)が762mmでしたが、改造されて軌間508mmになっています。展示されている車両は、木製炭車(石炭の輸送貨車)を連結しています。

 

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