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展示室4【炭鉱と人々のくらし】

三笠市は1879(明治12)年に幌内炭鉱が開かれて以来、最後の炭鉱が閉山する1989(平成元)年までの110年余り、炭鉱とともに歩んできました。
幌内炭鉱は、北海道で最初の近代的な炭鉱として採炭が始まりました。炭鉱の開坑によって、徐々に集落がつくられていきました。また、三笠で掘り出した石炭は、本州方面に積み出す港のある小樽・手宮まで輸送する必要があります。そのため、1882(明治15)年には、三笠の幌内を起点とする、北海道初の近代鉄道・幌内鉄道が開通しました。これが、三笠のまちの始まりです。
それ以来、二度の世界大戦を挟んで、三笠市内に所在する炭鉱の数は増加し、三笠の人口も増加しました。1960年代には、三笠市の出炭量はピークに達します。しかしそのころには、社会の主要なエネルギー原料が石油に取って代られたこと、地下1,000mを超えるような大深度で採炭を行うコストが高いことなどの理由により、石炭産業は縮小傾向に向かいます。三笠市では、1989(平成元)年に、坑道で地下から石炭を採掘していた、すべての炭鉱が閉山しました。
この展示室では、これら三笠市内の炭鉱の歴史について紹介しています。明治期から大正~昭和初期、そして戦後の炭鉱で実際に使用されていた機械・道具類を展示しているのに加えて、炭鉱で暮らした人々に関する展示として、「友子」の免状(証紙)、明治期の炭鉱住宅の復元家屋(一部)や、昭和20~30年代の炭鉱長屋の模型もあります。また、三笠における石炭産業の繁栄と衰退が視覚的にわかりやすいようにまとめられた年表の展示もあります。
なお、この展示室では写真撮影は自由(三脚は不可)ですが、展示資料には手を触れないでください。




三笠の炭鉱史

三笠では、明治から大正、昭和へと、100年以上にわたって石炭の採掘が続きました。最初は手持ちの道具を用いていたものが、徐々に機械化が進み、より早く・より多くの石炭を採掘できるような技術革新が進んでいきました。そしてそれに伴って、炭鉱やそこで働く炭鉱労働者を取り巻く環境も、大きく変化していきました。このコーナーでは、三笠での炭鉱の歴史を概観するとともに、そこで働いていた労働者たちの用いた道具や住環境、社会制度などについて紹介しています。

採炭道具

明治から大正にかけて用いられたランプや坑夫の服装、昭和以降に導入された測量器具や防塵マスク、ヘルメットとヘッドランプなど、炭鉱で用いられた道具や機器類を、時代ごとにわけて展示しています。
 

友子制度

明治期から大正期にかけては、炭鉱労働者の社会保障制度は十分に発達していませんでした。そのため、炭鉱労働者達は「友子」とよばれる互助組織を作って、病気やケガ、冠婚葬祭の時、互いに助け合っていました。この組織のユニークなところは、労働者間で「親分」と「子分」の契りを交わし、その関係においてお互いを助け合っていたというものです。ここに展示してあるのは、その免状(証紙;友子の一員である証明書)です。

友子制度について、市内墓地に現存する「友子の墓」の見学コースを紹介するガイドブックを配布しています。詳細は以下をご覧ください。
友子の墓ガイドブックについて



炭鉱住宅のくらし

炭鉱で働く人とその家族が住んだ集合住宅を「炭鉱住宅」、俗に「炭住(たんじゅう)」といいます。時代によって炭住の構造そのものは変遷していきますが、炭鉱労働者たちは共同生活を通じて、その絆を深めていきました。ここでは、その炭住について紹介しています。

炭鉱長屋の復元家屋

明治期の炭住であった長屋の復元家屋(一部)です。北海道の冬の寒さを考えると窓が障子紙1枚であったことは驚きです。

 

炭鉱長屋の模型

加賀谷俊蔵氏(三笠市内在住)製作の炭住の模型。各世帯が居住する長屋の住戸に加えて、別棟として併設されていた共同井戸・便所など、長屋全体が再現されています。この模型は、実際に扉やふすまを開閉することができるほど精巧なものであり、これを見ると、当時の建物の作りがよく理解できます。

 

石炭を掘り出す

 第二次世界大戦後、三笠を含めた日本の炭鉱は、大型機械を導入して、より効率的な石炭の採掘を行うようになりました。このコーナーでは、地下に広がる坑道の構造を模式図で理解できるほか、実際に坑内で使われていた機械類を展示しています。

採炭用ドリル

石炭層に孔を穿つためのドリル類や、炭鉱内での作業の様子を撮影した写真を展示しています。
 

救護隊員

残念ながら炭鉱は、石炭という可燃性の物質を扱う以上、火災や爆発事故とは無縁の場所ではありませんでした。 三笠市内においても、炭鉱が開坑した明治以来、数多くの事故が発生し、少なからぬ犠牲者が出ています。ここでは、三笠市内で発生した主要な炭鉱事故についてまとめるとともに、炭鉱事故が発生した際に救助にかけつける、救護隊員の装備が展示されています。

 

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電話:01267-6-7545
FAX:01267-6-8455

〒068-2111 北海道三笠市幾春別錦町1丁目212-1 電話 01267-6-7545 FAX 01267-6-8455
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