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【終了】2019年特別展見どころ紹介 第4回「イネルモロストゥルム」

本特別展は終了しています

 現在開催中の特別展「マリタイム! 海の爬虫類と哺乳類たち」、その見どころを紹介するシリーズ第4回は、日本初公開標本となる「イネルモロストゥルム・ゼノプス」をご案内します。


 イネルモロストゥルムは、2017年に発表・命名された、絶滅したイルカです。今から約3000万年前の、北アメリカに生息していました。しかし、その姿はとても奇妙なものでした。


 まず全長は1 mほどと、当時のイルカとしてはとても小さいものです。さらに、その頭骨は、口先が下向きに曲がり、歯は1本もありませんでした。そして、上あごの脇には大きな穴まで開いています。
 歯がないので、獲物に噛み付くことはできず、その代わりに、下向きに曲がった口を掃除機のようにして、獲物を吸い込んでいたと考えられています。また、頭骨に開いた大きな穴は、猫のヒゲのような、センサーの役割を果たす毛(洞毛)が生えていた可能性を示しています。

 イルカ・クジラの仲間は、その進化の系譜の中で、我々の想像以上に多様な進化を遂げていたことが、この化石の発見によって明らかになりました。

 展示されているのはレプリカですが、立体標本が公開されるのは日本で始めてのことになります。となりに展示されている、現生のイルカの頭骨と比較してみてください。


 三笠市立博物館令和元年度特別展「マリタイム! 海の爬虫類と哺乳類たち」は、7月14日(日)~10月14日(月・祝)まで、三笠市立博物館多目的ホールにて開催中です。ぜひご覧ください。

紹介標本貸出:チャールストン大学

お問い合わせ先

市立博物館
電話:01267-6-7545
FAX:01267-6-8455

〒068-2111 北海道三笠市幾春別錦町1丁目212-1 電話 01267-6-7545 FAX 01267-6-8455
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始(12月30日~1月4日)