【終了】令和6年度特別展『恐竜研究200年』展示標本紹介(第1回)
この特別展は終了しました
今年2024年は、世界で初めて恐竜「メガロサウルス」が命名されて、ちょうど200周年という節目の年です。そこで三笠市立博物館では、7月13日(土)から10月14日(月・祝)までの期間で、特別展『恐竜研究200年』を開催します。この特別展では、恐竜標本約40点を展示して、私たち人類が、恐竜という存在に気づいてから200年の間に明らかにしてきた謎を紹介します。
特別展開催直前の今、ぜひ多くの方に特別展にご来場いただくために、この特別展で展示される標本の中でも、特に注目していただきたいものを紹介します。
メガロサウルス・バックランディ
1824年に、世界で初めて命名された恐竜です。そもそも当時、「恐竜」という言葉すらありませんでした。命名したのは、イギリスの地質学者・古生物学者のウィリアム・バックランドです。彼は、1815年に発見された、巨大な下顎の骨の化石を手にいれ、その研究に取り組んでいました。バックランドはこの化石を、絶滅した超大型のトカゲのものであると考え、ラテン語で「巨大なトカゲ」を意味する「メガロサウルス」と名付けました。1822年ごろにはすでにその名前は考案していたようですが、正式に発表されたのは、1824年2月20日のことでした。
今回の特別展では、この時にバックランドが手にしたメガロサウルスの下顎の化石(レプリカ)を展示しています。長さ約30 cmで、数本の歯が残っています。
メガロサウルスが発見された当時、恐竜どころか、地球が45億年前に誕生したことも、生物が世代が変わるにつれて姿形が変わる「進化」という現象があることも、理解されていませんでした。その当時の人々は、この大きな顎の化石を見て、どれほど驚いたことでしょう。
しかし残念ながら、バックランドが発見したメガロサウルスの化石は、全身の骨のごく一部だけ(上の図の赤く示した部分)でした。「恐竜」という存在が知られる以前、ごくわずかな手がかりからメガロサウルスの正確な姿を復元するのは、とても難しいことでした。そのため、この当時、メガロサウルスは、現在のトカゲの形を、この下顎の大きさまで拡大して、全長13 m、肩の高さ1.3 mもある動物だと考えていたようです。
また、メガロサウルスは「世界で初めて名前がついた恐竜」であって、「世界で初めて発見された恐竜」ではありません。記録がある限りでも、メガロサウルスの命名の130年ほど前、今から遡れば300年以上も前から、イギリスでは恐竜の歯や骨のかけらが発見されていました。実は恐竜たちに関する手がかりは、ずいぶん昔から見つかりはじめていたのです。
いずれにしても、このメガロサウルスの命名以来、私たち人類は、太古に地球を支配していた魅惑的な動物たちについて、科学的な研究に取り組むことになるのです。
その、200年にわたる恐竜研究の歴史と成果について、この特別展では紹介しています。
特別展情報
令和6年度特別展『恐竜研究200年』
開催期間:開館時間:午前9時〜午後5時(最終入館:午後4時30分)
場所:三笠市立博物館 多目的ホール
入館料:高校生以上550円・小中学生250円・未就学児無料(団体料金・市内施設との共通券もあり)
詳細は公式ウェブページをご参照ください。
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特別展『恐竜研究200年』公式ページ
市立博物館
電話:01267-6-7545
FAX:01267-6-8455
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