【終了】令和6年度特別展『恐竜研究200年』展示標本紹介(第2回)
この特別展は終了しました
世界で初めて恐竜「メガロサウルス」が命名されて、ちょうど200周年にあたる今年、三笠市立博物館では特別展『恐竜研究200年』を、7月13日(土)から10月14日(月・祝)まで開催します。そこで、当博物館サイトでは、この特別展で展示する恐竜標本約40点の中でも、特に注目していただきたいものを紹介しています(第1回はこちら)。
特別展の開催が今週末に迫った今回は、巨大恐竜に関してご紹介します。
カマラサウルス
恐竜といえば、「巨大な動物」というイメージがあるのではないでしょうか。もちろん、人間よりも小さなサイズの恐竜もたくさんいますし、現在生きている鳥も恐竜の一種と言えますから、必ずしも「恐竜=大きな動物」とは言えません。しかし、地球の歴史上、陸上に生息した動物の中では、もっとも巨大な動物が恐竜であったのは間違いありません。
この超巨大恐竜は、「竜脚類(りゅうきゃくるい)」というグループに属します。4本足で歩き、長い首と、長い尻尾を持っていたのが特徴です。
竜脚類の研究の中でも、初期に発見され、その後もたくさんの化石が見つかったために、比較的詳しく調査されているのがカマラサウルスです。北アメリカで発見されたもので、全長は最大でも20 m程度と、竜脚類の中では中型と言えるサイズです。
今回の特別展では、その頭骨レプリカを展示します。頭の長さは約40 cm、もちろん人間の頭に比べれば十分大きいのですが、それでも、体が20 mもあったことを考えると、ずいぶん小さな頭です。 長〜い首の先に乗っかる頭は、軽く・小さくする必要があったため、ものをしっかり噛むための歯や筋肉などを持つことはできず、植物の葉をかき集めるだけの役割しかない、スプーン状の歯が並んでいるのがわかります。
というよりもむしろ、頭をこれだけ小型化・軽量化できたことこそが、竜脚類がこれほどまでに巨大化できた理由のひとつなのです.
この頭からもわかるように、竜脚類は巨大化をするために、体のさまざまな構造が特殊に進化しているのです。
スーパーサウルス・ヴィヴィアナエ
それにしても、全長20 mのカマラサウルスが「中型」ということは、「大型」の竜脚類はどのくらいの大きさになるのでしょうか?竜脚類には、30 mを超える種類がいたのは確実です。それどころか、現在の地球でもっとも大きな動物である、シロナガスクジラよりも大きな種類がいた、と考えている研究者もいます。海に住むシロナガスクジラは、自分の足で体重を支える必要はありませんが、陸上に住む竜脚類は、100 t以上もの体重を、4本の足で支えて歩いていたのです。
ただし、そういった超大型の竜脚類は、なかなか全身の骨格が揃って発見されることが少ないので、正確な全長を推定することはとても難しく、どの恐竜が一番大きかったかを明らかにすることは困難です。
そんな30 m以上の全長を持つ竜脚類の中でも、おおむね全身の骨格が見つかっているのが、スーパーサウルスです。これまでに2頭分の化石が発見され、全長は33〜35 mと考えられており、正確な全長が推定できる中では、最大の竜脚類のひとつです。まさに「スーパー」という名前に恥じない大きさだと言えるでしょう。
今回の特別展では、このスーパーサウルスの肩甲骨(肩の骨)のレプリカを展示します。肩の骨だけでも、長さはなんと2 mを超えます。
当館学芸員と比較すると、こんな感じです。
40 t近くにもなったと考えられる体重を支えるための脚が、この肩甲骨につながっていたのです。ぜひご来場の際は、ご自身の身長と、スーパーサウルスの肩甲骨を比べてみてください。
ちなみに最近では、39 mに達すると考えられる、第3のスーパーサウルスの化石も発見されたようです。今後の研究が期待されます。
今回の特別展では、これら竜脚類の標本を展示するとともに、なぜ恐竜はこんなにも巨大になったのか、最新の研究についても紹介しています。
特別展情報
令和6年度特別展『恐竜研究200年』
開催期間:開館時間:午前9時〜午後5時(最終入館:午後4時30分)
場所:三笠市立博物館 多目的ホール
入館料:高校生以上550円・小中学生250円・未就学児無料(団体料金・市内施設との共通券もあり)
詳細は公式ウェブページをご参照ください。
紹介標本提供
豊橋市自然史博物館関連記事
特別展『恐竜研究200年』公式ページ『恐竜研究200年』展示標本紹介(第1回)
市立博物館
電話:01267-6-7545
FAX:01267-6-8455
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