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アンモナイト・イヤー企画 「今月のアンモナイト」2025年1月号

当館は2024年に、開館45周年を迎えました。そこで、46年目に当たるこの2025年を「アンモナイト・イヤー」と位置付け、アンモナイトいっぱいの年にしたいと考えています。その取り組みのひとつとして、毎月、収蔵庫からアンモナイト1点を選び出し、展示するロビー展示シリーズ今月のアンモナイトを開催しています。

2025年1月、記念すべき第1回目となる「今月のアンモナイト」は、「パキディスカス・サエキ」です。




これは、2022年に大塚允氏から寄贈されたもので、巨大なノジュールの中に、直径48 cmもある大型のアンモナイト、パキディスカス・サエキが鎮座しています。しかもその周囲には、「メヌイテス・ソーヤエンシス」と「シュードメヌイテスの一種」が数個体点在しています。いずれの種類も「パキディスカス科」というグループに属します。このパキディスカス科は、日本周辺では、白亜紀の終わりが近づく頃に繁栄し、特に大型の種類が出現したグループです。


このノジュールは、北海道稚内市の宗谷岬で発見されたものです。その点ではいわば、「日本最北端のアンモナイト」のひとつと言えるでしょう。北海道に分布する白亜紀の地層「蝦夷層群」は、ちょうど北海道の中央を南北に走るように広がっており、その北端が宗谷岬に位置しているのです。そして、宗谷岬のさらに北、サハリンにも蝦夷層群は続いています。事実、メヌイテス・ソーヤエンシスは、サハリンからも化石が発見されています。北海道の旧名「蝦夷」を冠してはいますが、蝦夷層群は宗谷海峡を隔てて、さらにその先はるか700kmも北まで広がっているのです。

パキディスカス・サエキとメヌイテス・ソーヤエンシスは、1984年に命名されたアンモナイトですが、その命名論文の発表以来、あまり学術的な研究は行われてきませんでした。特に、メヌイテス・ソーヤエンシスは、宗谷岬以外にも、サハリンや日高地方、さらには和歌山県からも化石が発見されているのに対して、パキディスカス・サエキは、宗谷岬以外からの発見の報告はほとんどなく、命名から40年経った今も未知のアンモナイトと言えます。
さらに、シュードメヌイテスは、命名は1955年と比較的古いのですが、こちらも十分な研究はなされておらず、特に、パキディスカス科の別属との関係性がはっきりしません。

このように、まだまだ不明な点の多い3種類のアンモナイトが一緒になっているこのノジュールは、学術的にも極めて重要なものです。この標本を詳しく研究すれば、白亜紀の終わりが近づく頃、太平洋西岸地域に生息していた大型アンモナイトとその近縁種の分類や生態について、さらに詳しいことがわかるかもしれません。



このパキディスカス・サエキは、1月いっぱい三笠市立博物館ロビーにて展示しています。期間限定の展示ですので、ぜひお見逃しなく!
 

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市立博物館
電話:01267-6-7545
FAX:01267-6-8455

〒068-2111 北海道三笠市幾春別錦町1丁目212-1 電話 01267-6-7545 FAX 01267-6-8455
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始(12月30日~1月4日)