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新種アンモナイト2点を展示します!

深田地質研究所(東京)研究員の相場大佑博士(元 当館学芸員)によって、昨年と今年の2回、新種のアンモナイトが発表されました。いずれも、当館所蔵の化石を用いた研究です。
 

昨年8月に発表された「ユーボストリコセラス・パープレクサム」は、後期白亜紀サントニアン期(約8570万~8360万年に生息していた異常巻きアンモナイトです。その化石は、北海道小平町・苫前町・羽幌町に加えて、和歌山県有田川町からも発見されていました。

ユーボストリコセラス・パープレクサムの産地(左上)・生息時代(左下)・化石の写真(右)。深田地質研究所提供
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縦に伸びたソフトクリームのような形をしており、殻表面は細かい肋(ろく。殻を横断する向きに生じる突出部)で覆われています。それ以外に目立つ突起やトゲがないことから、ユーボストリコセラス属というグループに属すると判断されます。
しかし、おそらく卵から孵化した直後は、殻はまっすぐに伸びていたと考えられることや、殻の断面がやや角張っていることは、別の異常巻きアンモナイトであるハイファントセラス属と共通する特徴です。
ハイファントセラス属は、突起列を持つ点でユーボストリコセラス属とは区別されると考えられていますが、今回の発見により、その分類体系が正しいのか、新たな疑問が生じました。
 
これらのことから、ラテン語で「混乱した」という意味を持つ「パープレクサム」という種小名が与えられました。
 
この命名論文は、2025年8月26日付で、日本古生物学会が刊行する国際学術雑誌「Paleontological Research」に掲載されました。
 

今年8月には、「ヘテロカリネラ・ジャポニカ」が命名されました。この異常巻きアンモナイトも、白亜紀サントニアン期(約8630万~8360万年前)に生息していたもので、化石は北海道苫前町・羽幌町から発見されました。
 

ヘテロカリネラ・ジャポニカ標本写真。深田地質研究所提供。
 
一見すると、殻の形は、先のユーボストリコセラスと似た、ソフトクリーム型で、肋の形もよく似ています。しかし、キール(成長方向に伸びる突出部)がある点で異なります。
 
ぱっと見はユーボストリコセラスに似ていますが、CTスキャンによって殻の内部構造を調べたところ、アンモナイトの殻の中にある連室細管という管状の構造が、ユーボストリコセラスの仲間では、殻の中部もしくは下部にあるのに対し、この化石では、殻の上部にありました。この特徴を持つ異常巻きアンモナイトは、ツリリテス科というグループに属します。
これまでツリリテス科は、セノマニアン期末(約9390万年前)に絶滅したと考えられていましたが、今回の発見によって、ツリリテス科はサントニアン期(約8360万年前)まで存続していたことがわかりました。

この命名論文は、2026年8月29日付で、日本古生物学会が刊行する国際学術雑誌「Paleontological Research」に掲載されました。
 


当館では、この新種アンモナイトに関するトピック展示を、博物館ロビーに設置しました。ここでは、この二つの研究に用いられた標本のほか、ユーボストリコセラスやツリリテスなど、近縁なアンモナイトの化石をご覧いただけます。ぜひこの機会にご覧ください。

 




 

【参考】
それぞれの研究に関する詳細は、深田地質研究所プレスリリースをご覧ください(いずれも深田地質研究所ウェブページのプレスリリースにリンクされています。クリックすると別ウィンドウで開きます)。
 
 

【論文情報】

論文名: A new species of Eubostrychoceras (Ammonoidea, Nostoceratidae) from the
Santonian (Upper Cretaceous) of Hokkaido, Japan
 
論文名: Heterocarinela, a new ammonoid genus: Turrilitidae survived into the Santonian (Late Cretaceous) in the north-western Pacific realm

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