三笠市立博物館

実習生が新しい展示を設置しました

 7月21日から8月2日まで、三笠市立博物館では学芸員実習の学生を受け入れていました。

 「学芸員実習」とは、博物館に所属して資料の保管や展示の作成、そして研究などを行う「学芸員」という資格を得るために必要なもので、1~2週間程度、博物館での学芸員の業務に実際に就いてもらうものです。
 今回、当館に来られた実習生は、北海道大学大学院修士1年の大藪隼平さん。大学院では、恐竜、とくにヨロイ竜類という、全身の装甲をまとった植物食恐竜の研究をなさっています。当館には、夕張市から発見されたヨロイ竜類・ノドサウルスのなかまの頭骨化石が収蔵・展示されていて、大藪さんがその化石の研究に取り組んでいることから、当館で学芸員実習をしていただくことになりました。

 実習期間中は、当館来館者のご意見をお伺いするために、来館者の皆さんに直接ヒアリングを行ったり、当館に寄贈された化石の登録管理作業をしたりと、様々な業務に取り組んでいただきました。

 
 そして、実習の集大成として、当館の化石展示室での、恐竜に関する解説パネルを新たに作成し、設置していただきました。実際に恐竜研究に携わっている立場から、最新の恐竜の知見について紹介できるパネルを作っていただきました。

 
 以下、実習生の大藪さんからのコメントです。
 
 北海道大学理学院修士1年の大藪隼平です。現在、大学院では恐竜のヨロイ竜について研究しており、当館の夕張産ノドサウルス科頭骨化石(以下、夕張標本)を中心に研究を進めています。
 
 7/21(水)から8/2(火)まで当館で学芸員実習をさせていただきました。実習の一環として、化石展示室の「蝦夷層群の大型脊椎動物化石」ブースを中心に、新たに展示パネルを4点作成し設置しました。
 
 1点目は恐竜の定義についてです。そもそも「恐竜」とは、どういう生き物のことを指すのでしょう? このパネルでは、恐竜の特徴である直立歩行や、恐竜の系統樹上での立ち位置について、図示しています。今生きている動物とのつながりを見ると、恐竜がより身近になるかもしれません。
 
 2点目はヨロイ竜の生息場所についてです。ヨロイ竜にはノドサウルス科とアンキロサウルス科が存在しますが、両者で生息地や生息環境が異なっていたと考えられています。それぞれの特徴や違いを紹介しています。また、夕張標本についても世界での発見例との関連について触れています。夕張標本がいかに重要な標本であるか、分かっていただけるでしょう。
 
 3点目は夕張標本の裏側についてです。
 夕張標本の裏側はどのようになっているのでしょうか? 標本の、普段は見えない部分を紹介しています。また、パネル右上のQRコードをスマホで読み取ってみてください。夕張標本の3Dモデルを見ることができます。ぜひ360°動かして観察してみてください。
 
 4点目はヨロイ竜の歯についてです。
 ヨロイ竜の歯の形状は様々であり、歯の形状を比較することで基盤的(祖先に近い種類)か派生的(より進化した種類)かを推測することができます。夕張標本の歯の化石から、夕張標本の恐竜がノドサウルス類の中でも基盤的だったのか、それとも派生的だったのかぜひ考えてみてください。
 
 僕の担当学芸員である唐沢與希さんには、展示の素材から準備、アドバイスなど幅広い支援をいただきました。ここに感謝の意を表します。館長の加納学さん、学芸員の相場大佑さんには展示案に対し的確なアドバイスをいただきました。感謝申し上げます。また、本博物館に関わるスタッフの皆様、三笠ジオパーク推進協議会事務局の皆様、ボランティアの方々にも示唆に富んだお話、お力添えをいただきました。今回の展示作成にあたって大変参考になり、勉強となりました。大変ありがとうございました。


 今後、当館にお越しの際は、ぜひ大藪さんが制作された新たな恐竜解説パネルにも注目してみてください。

お問い合わせ先

市立博物館
電話:01267-6-7545
FAX:01267-6-8455